「レザーソムリエ試験」って知っていますか?
皮革についての知識を問う資格試験で、革好きの間で徐々に人気が高まっているんです。
今回は、レザーソムリエ試験実施団体代表の立松 進 様にインタビューをさせていただく機会を頂戴し、資格試験についてのお話をたくさん伺いました。
- 株式会社 タテマツ 代表取締役
- 日本革類卸売事業協同組合 理事長
- レザーソムリエ皮革講座 講師
この記事では、レザーソムリエ試験の概要や出来た背景、効率的な勉強方法などについて紹介します。
レザーソムリエ試験の概要
皮革業界では、一定の知識を有する方を「レザーソムリエ」として育成しています。
レザーソムリエ試験とは、革素材の特徴や違いから専門的な知識・技能までを測る資格試験で、以下の2つの級に分かれています。
- レザーソムリエBasic(初級):初心者が対象
- 革素材の特徴や違いに始まり、クツやカバン、ベルトなどの基礎知識を網羅的に問う試験
- レザーソムリエProfessional(中級):レザーソムリエBasic(初級)合格者または、皮革及び革製品(販売業含む)取扱歴5年以上の方が対象
- より専門的な知識や技能を測り、証明するための試験
\詳細は公式ホームページで/
レザーソムリエ資格試験が出来上がった背景
レザーソムリエ資格試験が出来上がった背景について、立松さんに伺いました。
レザーソムリエ資格試験が出来上がった背景について伺いたいです。
私たちは革の販売業者であり、タンナー(製革業者)と消費者の中間に立つ立場なんですよね。
だからこそ、わかりやすく革の特性を伝えることが出来ると考えました。
タンナーの講義は元々あったのですが、理科系で技術的なため、一般層には難しすぎたんです。
そのような現状を踏まえて、文系の方でもわかりやすい革の講義を目指して、レザーソムリエ試験を作りました。
そうだったんですね。
私も文系ですし革初心者なのですが、確かに先日の講座はそんな私でもわかりやすかったです!
また、同じ業界の人同士でも、相手にどのくらい知識があるのか分からなければ、革の説明を一からしなければならなくなってしまいますよね。
資格を持つことでお互いの知識レベルが分かるようになれば、もっと深い話が出来るようになります。
そういう意味でも、資格試験があればいいと考えたのが背景です。
知識レベルの共有というのも、試験が出来た背景の1つだったんですね。
一般の方でもレザーソムリエ試験を受けられるように門戸を拡げた理由は
革関係の仕事についている方だけを対象とするのではなく、一般の方でも資格試験を受けられるようにした理由はありましたか?
業界として、革好きな方を大事にしたいという気持ちはあったのですが、資格試験が出来る以前は、革好きな方の持っている知識に偏りが出がちでした。
革という素材の理解を一般の方にも広めたいという考えで、特に受験資格は設けない方針になりました。
また、革の破棄物を少なくしていきたいという業界全体の考え方もあります。
革は場所によって表情も手触りも違いますが、一般の方にもそういったことを理解していただくことによって、革を余すところ無く使用していきたいという目標もありますね。
レザーソムリエ試験は毎年何人くらいが受験している?合格率は?
初級のレザーソムリエ試験は、毎年約200~400名の方が受験されています。
また、合格率は約8割ということでした。
中級はまだ始まって間もないため、データはありませんが…
8割合格なら、レザー好きはぜひとも受験しておきたいですよね!
レザーソムリエ試験ではどんな問題が出題されるのか
レザーソムリエ試験の試験方式は初級・中級共通で、試験は50問4択のマークシート方式になっています。
初級では、皮革および革製品に関する基本的な知識について幅広く出題されるため、公式テキストを読み込んで勉強するのがおすすめ。
中級では、マークシートとテイスティングの2つが採点対象なので、正確に判断するために一度は皮革に触れていないと難しいと言えるでしょう。
レザーソムリエ資格試験団体では、初級・中級別に皮革講座も開催していますので、参加してみると良いですよ。
\実際に初級の皮革講座に参加した時の写真/
たくさんのレザーに実際に触れながら、講師の方々のお話を聞くことが出来ました。
過去問は公開されていないので、テキストや講座で勉強しましょう!
\試験対策のスタートにおすすめ/
レザーソムリエ試験はどういう人におすすめか
レザーソムリエ試験はどういう方におすすめですか?
一般のレザーアイテム販売員が受講してくだされば、お店へもしクレームが入った時にも対応がしやすくなると考えています。
また、一般の方も知識をつけていけば、手入れやメンテナンスの方法を理解・実践しやすくなるため、そういう方にも受験してほしいですね。
幅広い方に受けて欲しいということですね。
日本人は歴史的に西洋の方よりも革を使う機会が乏しかったので、まだまだ知識が不足しているという現状があります。
現代では日本人も肉食になってきたことで、原皮が生産される機会は増えているのですが…
皮革への知識が追いついていないため、原皮が国外輸出されることも多いんですよね。
自分たちが食べる畜産物の割合に応じて、原皮を使用できる世の中になってほしいという本音もありますね。
確かに、日本人が肉を好んで食べるようになった歴史は諸外国に比べると浅いですもんね。
まだまだ革の活用が少ないということなんですね!
それは全然知りませんでした。
実は20~30年前と比べても、使える素材が豊富になってきていることもあり、革の使用が減ってきているんです。
なので、知識を持つ人が増えることで業界全体が盛り上がっていけば良いなという想いもありますね。
レザーソムリエに上級が出来る予定はあるのか
ちなみに、今後レザーソムリエ試験に上級が出来るような予定はありますか?
上級もやりたいという気持ちはあるのですが、中級自体やり始めてすぐにコロナウイルス蔓延で頓挫してしまっていたような現状で…
そのため、まずは中級をブラッシュアップする方向で考えています。
また、上級をやるとしても方向性をきちんと考えていかなければならないと思っているので、今後 中級の合格者数が増えていったときに構想するといった形になりますね。
わかりました。
まずは初級と中級試験にしっかり合格できるように、私自身も勉強していきたいと思います!
レザーソムリエ試験の効率的な勉強方法は
初級と中級で異なるかもしれないのですが、試験に向けた効率的な勉強方法がもしあれば、伺いたいです。
初級に関しては、出題範囲が広く浅くなっていますが、まずは革の方を全般的に勉強していただくと良いと思います。
また、中級については、色落ちや水濡れ、汗などのクレームが一番多いので、そこについて考えていただくと良いですね。
出題者としてはどうしても「クレームを減らしたい」という想いで問題を作成することが多いので。
出題者目線で、どういう問題を出したいかを考えるのは大事ですね!
ありがとうございます。
\公式テキストで勉強するのがおすすめ/
レザーソムリエ試験まとめ
レザーソムリエ資格試験は、日本初の皮革に関する知識を問う資格試験で、難易度により初級と中級に分かれています。
どちらも講座や専用テキストが用意されているため、そちらを用いて勉強をするのがおすすめです。
公式YouTubeでも詳しくお話されていますので、気になる方はぜひ併せてチェックしてみてください。
革の持つ魅力をもっと理解したい革好きの方や、レザークラフトを始めた方などにぴったりの資格試験、ぜひ受けてみてはいかがでしょうか。
\詳細は公式ホームページで/
最後になりましたが、レザー初心者の私にもわかりやすくお話をしてくださった立松さん。
\終始、笑顔溢れるインタビューでした/
お忙しい中、インタビューに応えてくださり、ありがとうございました!
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